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『何者』朝井リョウ / SNSとプライドの高い学生たち

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

読書感想ブログです。たまにネタバレするかもしれません。ホームベーカリーGOPANのレシピも扱っています。


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『何者』朝井リョウ / SNSとプライドの高い学生たち 

朝井リョウさん
『何者』

プライドの高い学生たち


あらすじ&感想


「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。直木賞 受賞作品。

初めて朝井さんの本を読みました。
「就職活動」をテーマにしたお話で現代社会の学生を描いています。
私の頃と比較しながら面白く読めました。
今と昔とでは大違い。
TwitterなどのSNSが当たり前になっている今どきの小説でした。





SNSで始める就活


読み始めに、おや? と思いました。
目次の代わりにそこに書かれていたのは6人の男女のプロフィール。
しかもなんか見たことがあるような形式です。
それもそのはず、私も普段から利用しているTwitterのプロフィールでした。





本書を読み進めていくと、所々にTwitterでの呟きが出てくるんです。
SNSをやっている人の方がこの小説を楽しめそうですね。

ツイートは面白いです。
140字という限られた字数の中で呟くのは、手軽で味わい深いものがあります。
それに本が好きな方がこんなにいるのかと安心感みたいなものも感じます。
(私のフォロワーさんは本好きの方が多いのです。)
ボタン一つで消してしまえる繋がりですが、そこで得られる大きなものが確かにあるんですよ。
そんなツイッターがこの小説では重要な要素になっています。

今やSNSというのは、就活にとても大事なものになっているのですね。
ニュースなどでは見ていましたが、実際に本で読むと私の時代とは違うんだなぁ・・・という素直な驚き。
作者の朝井さんは、1989年生まれで正に真っ只中の「今」を描いている。
エントリーシートやWebテストなど、どおでリアルな感じがする小説でした。





プライドの高い学生たち


この物語は拓人の目線で語られる小説になっているのですが、その中でタイトルにもなっている言葉が度々でてきます。

漢字をひらがなにする、
たったそれだけのことで何者かになれた
日々は、もう遙か昔のことのようだ。


就職活動をして
企業に入れば、また違った形の
「何者か」になれるのかもしれない。


今の自分じゃない「 何者 」。
5人は、なかなか内定を貰えず必死でした。
まぁ得てしてそんなものですが、なんだか自分が全否定された気持ちになるので落ち込みました、私も。

でも本書を読んでいて、この「何者」という記述がでてきた時に違和感を感じてしまいました。
目標を持って変わろうとするのはとても良いことだと思います。
でもそれを仮想世界に求めたり、自分は他人とは違うんだというよくわからないプライドは捨てた方がいい。

最後の方に5人のうちの1人が言った言葉にスッキリしました。


自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分に近づけることしかできない。みんなそれをわかっているから、痛くてカッコ悪くたってがんばるんだよ。



・・・そうですねぇ。
自分は自分自身でしかないんだ。
痛くてカッコ悪いかもしれないけど、精一杯がんばる自分を認めてあげましょう。





内定がゴールではない


決定的な理由があるはずなのに、それが何なのかわからないのだ。



ここに共感しました。
そして背伸びをして自分をよく見せようとする。

朝井さんはインタビューでこう言っています。

「自分をよく見せなきゃと背伸びをすればするほど、自分を見失っていくのが就活なのかもしれない。面接官はこちらが学生であることは百も承知。学生である今の自分ができること、言えることを地に足をつけて伝えればいいのだ」

・・・ホントですね。
もっと早くに気付きたかったなぁ。
内定をもらうことに必死になるけど、一番に大切なのはそこで働きたいかということ。


「俺さ、就活って内定出たら終わりって思ってたけど、ちげえわ」



「俺、今日会った同期と、今日行った会社で、ずっとずっと働くんだよな」



「就活は終わったけど、俺、何にもなれた気がしねえ」



内定が貰えても決してそこがゴールではないのですよね。
学生さんにこそ読んでもらいたい本だなと思いました。


この記事を書いた人って、どんな人?


本を売るならネットオフが便利って知ってた?



Twitter, 就活,

4 Comments

lime  

レビューでしか読んでいないんですが、本当にこの本はリアルな学生の就活が描かれているんだと感じました。
まさに身近にその真っ只中の学生が居て、しみじみ思いました。
本当に今は情報社会ですね。大学生の子は、入学する前にTwitterですでに同じ学部に仲間を見つけ、入学式には半数以上が「よう!」という感じです(笑)
情報は、有り過ぎればありすぎるほど、私など少し不安になるのですが。
自分というアイデンティティを確立させなければそれこそ実体を失くしてしまうような・・・。

この就活って子供がまず最初にぶつかる最大の試練ですよね。
自分に失望し、けれどプライドを捨てきれず、苦悩する。
そこをきっと作品に上手く描き出しているのでしょう。まさに、今だからこそ、の。

苦悩真っ最中の学生も、そしてそれを乗り越えてホッと一安心の子も、どちらも興味深く読めそうですよね。
私も読んでみたいと思います^^

2015/07/26 (Sun) 08:54 | EDIT | REPLY |   

ひだまりさん。  

limeさんへ。

入学する前にもう同じ学部の仲間を見つけてるんですかぁ。
凄いですね~、感心してしまいました。
やっぱり今は良くも悪くも情報社会なんですね。
私の頃とは違うなぁと、この本を読んでしみじみ感じてしまいます。

朝井さんが描くこの本は、今の就活の現状を作者目線で書かれていて、朝井さんが実際に感じたことなんだろうなと思います。
本当にリアル感がありました。
人生初の試練ですよね。
この本の登場人物たちも、様々なことで悩み、プライドも捨てきれなくて苦しみます。
そこに感じる思いは今も昔も変わらなくて、そうだったなと共感できるところがたくさんありました。
自分を重ねて読んでいました。
地獄のような日々だけど、自分は自分でしかないから、カッコ悪いところも全部含めて自分なんだと認められる強さを身につけたいですね。

身近に大学生が居られるlimeさんなら、私よりももっとリアルさを感じられると思いますよ。
おすすめの一冊です (*^_^*)

2015/07/26 (Sun) 09:53 | EDIT | REPLY |   

woodship  

こんにちわ

就職活動は、入ってからが勝負ですよね。
どんなに就職活動をがんばっても、
そこから長い長い社会人人生が始まる。
そこで、どれだけ頑張れるか。
どれだけ学べるかが勝負です。
正直、自分に合っているか
合っていないかは、入ってみないとわからない。
入った会社を、入った会社で行う仕事を
どれだけ好きになれるか、
それが、社会人人生を有意義に過ごせるか、そうでないかの
境目ではないかと、このごろ感じております。

2015/07/26 (Sun) 19:07 | EDIT | REPLY |   

ひだまりさん。  

woodshipさんへ。

こんにちわ (*´︶`*)

確かにそうですね。
実際に働いてみないと、自分に合っているかなんてわからないですよね。
働いてみると想像していた職場と違っていたりと、色々でてきますが、あとは自分の頑張りのような気が私もします。
好きとやる気。
あとは、何事にも前向きで (*^_^*)

今は同じ職場に長くいることが、昔に比べて少なくなっていますが、人生の大半を過ごす職場ですから、有意義に楽しく働きたいですね。

2015/07/26 (Sun) 19:51 | EDIT | REPLY |   

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