Welcome to my blog

『ターン』北村 薫【時と人】3部作 / ずっと君を待っている

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

読書感想ブログです。たまにネタバレするかもしれません。ホームベーカリーGOPANのレシピも扱っています。


Total:
現在:

『ターン』北村 薫【時と人】3部作 / ずっと君を待っている 

北村薫さん
『ターン』

ターン、ターン。
その繰り返し。でも、いつかは
リターンしたい。帰りたい。





あらすじ&感想


真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
―「BOOK」データベースより―


北村さんの『時と人』3部作の中のひとつ。
「スキップ」に続き「ターン」を読みました。
おなじ時間を繰り返してしまう不思議なお話です。
・・・実は、このお話だけ前に読んだことがあったんです。
また読みたくなり再読しました。

私はこのお話の方が好き。
『時と人』ということから、「時間」がテーマになっている物語です。
今回はあまり残酷な感じがしなくて、それが良かったです。


時間のループ


時間というのは、時として曖昧です。
短調な毎日を繰り返していると、なんだか昨日と同じだなぁ・・・と思うことがあります。
でもちゃんと時は流れていて、昨日とは違うことがわかっています。
だから安心して明日を迎えることができる。
でも、目が覚めたら昨日の私に戻っていたとしたらどうでしょう?

この物語の主人公、真希は、事故により時間のループの中に取り残されてしまいます。
どういうことかと言うと・・・、
それは、3時15分のこと。


何が起ったか。―昨日も、今日も、この時間になったら、時計が一日戻ったらしい。



どこにいても何をしていても、その時間になったら自分の家の座椅子に戻されるんです。
そしてまた今日の繰り返し。
・・・ゾッとします。
でもこういうSFが好きな私は、残酷だーと思いながらもワクワクしながら読んでいました。





北村さんが描く世界


「時間」って目に見えないものだから、どんなことでも起こり得そうな気がします。
リアルに私だったらどうするだろうと考えてしまいました。

北村さんが描くループに陥った主人公がいる世界。
そこには誰もいないんです。
(後に、もう一人存在することがわかるのですが・・・。)
想像すると恐ろしい・・・。

そして何も記録ができません。
紙に書いても3時15分になったら、書いたものが消えて(白紙に戻って?)しまいます。
自分の記憶だけが頼りです。


《今が、こうなってから何日目か》。それが分からなくなるのって、とても怖い。



こう思う真希の気持ちがわかります。
・・・とても残酷な時のいたずら。
北村さんの描くこの世界観が、残酷ながらも ひきつけられます。


君と僕


この小説はある意味、恋愛小説だなぁと思いました。
始めっから最後まで2人称で進んでいくんです。
主人公が誰かと会話しているかのような不思議な感覚。

「君」(主人公) と「僕」の二人称です。

「僕」の視点から描かれていて、「君」への言葉が優しく心が和みます。
残酷な状況なのに、そこまで重く感じないのは彼の存在があるからかも。
真希は独りのはずなのに??
と疑問に思いましたが、面白くてあまり気にはなりませんでした。
最後に謎は解けます。

ずっと声の主を信じていた彼女。
ずっと待っていた彼。
心が温かくなりました。





150日を過ぎたころ、とつぜん電話が鳴ります。
それは現実世界からの電話でした。
相手は泉洋平さん。

それから2人の電話のやり取りが始まります。
真希にとっては救いの電話ですね。
唯一の現実世界とのつながり。
不安な状況は変わらないけど、そのやり取りが微笑ましかったです。


ホッとする結末


この物語の結末は好きです。
前作「スキップ」は、時の残酷さを感じるラストでした。
今回はそれを感じることがなかったので良かったです。


北村薫さん【時と人】シリーズの感想
(時と人の謎を探る書き下ろし長編小説)



*『スキップ』*
( 時をスキップしてしまった中学生の真理子。目が覚めたら夫と子供がいて・・・。でも一生懸命に今を生きていく。)


** 拍手コメントRe:**(3/3)
Kさんへ。
ありがとうございます(*^_^*) 私も図書館に行きたいです。面白かったので、ぜひ読んでみてください(^^♪

** 拍手コメントRe:**(3/3)
Kさんへ。(続き)
わぁ! 読んだんですねー♪ とても嬉しいです。思わず地下鉄の中で微笑んでしまいました(*^_^*) 途中から面白くなりますよね。レビューを書いた本を、しかもその日に読んで下さるなんて・・・感激しました! ありがとうございます。
** ひだまりさん。**

関連記事

拍手頂けると励みになります(*^^)


この記事を書いた人って、どんな人?
SF,

0 Comments

Add your comment