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『博士とねこ』広瀬弦/100万分の1回のねこ

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

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『博士とねこ』広瀬弦/100万分の1回のねこ 

第12話、広瀬弦さん
『博士とねこ』

ねこは科学者なんか大嫌いでした。


「100万分の1回のねこ」より





あらすじ&感想


あるとき、ねこは博士のねこでした。博士は科学者で、とても猫を可愛がっていました。ある日、ねこは足を引きずりながら帰ってきて・・・。


「100万分の1回のねこ」12話目は、広瀬弦さんの短編のレビューです。
広瀬さんは、佐野洋子さんの息子さんなんですね。

今回は科学者のねこ。
飼い主に可愛がられ、でも猫は飼い主なんか大嫌い・・・。
「100万回生きたねこ」の、とら猫そっくり。
でもどこにもトラだとは書いてないんですが、あの猫が科学者の猫だったら、きっとこんな感じなんじゃないかなと思わせてくれる1話です。
・・・なかなか面白かったです。

※ ネタバレあります。


広瀬弦さん
『博士とねこ』のレビュー


博士の発明品


この短編おもしろいなと思ったのは、怪我したネコがどんどん新品になっていくところです。
初めは右後ろ足でした。
そのうちに、目や内蔵まで・・・。


「おおかわいそうに。これじゃ元気が出ない。新しい腎臓を作ってあげよう」



猫が怪我して帰ってくると、博士はおかしくなった内蔵まで作って猫につけていく。
・・・まるでロボットです。
実際、博士の発明は周りの人々に喜ばれたようです。


ねこのために作った目も、たくさんの人たちのために使われてゆき、たくさんの人たちに感謝されました。



ちょっと変わった科学者だけど人々からはありがたがれ、研究室も大きくなっていく。
でも相変わらず、博士の愛情は猫まっしぐらでした。



自己満足の愛


一人ぼっちの博士。
愛情は全て愛猫に注ぐことになります。


博士は実験がうまくいくと、「おまえのおかげだよ」とねこにいい、失敗すると、「なぐさめておくれ」といって毎日ねこを撫でました。



猫って可愛いですよね。
家族の一員だから、彼が可愛がる気持ちもわかります。
博士の愛情は痛いほどに感じます。

佐野洋子さんのお話に近い、この短編を読んでいると、飼い主の自己満足の愛を感じました。
右足をつけたり、目や内蔵を作ったり・・・。
私も人間なので、博士の行動や気持ちはなんとなく理解できるんです。
でもこのお話を読み終わったあとに、ふと思いました。
猫の気持ちはどうだったんだろう・・・と。
言葉が通じないので想像するしかありませんが・・・。

最後の一文が、ぐさりと心に刺さりました。


ねこは科学者なんか大嫌いでした。



やっぱりそうか。
予想はしていたけど・・・。
切ないなぁ。
佐野さんの絵本では、あまり気にならなかったことが、この短編では胸に刺さる。





愛の形


ある日、ねこは突然動かなくなってしまいます。
・・・そうです、死んでしまったんです。
でも博士は・・・。


なぜねこが動かなくなったのか全く解りませんでした。



ここの部分を読んだ時、少し悲しくなりました。
なぜ動かなくなったのか解らない博士に・・・。
頭を外して中をよく見たり、手足にオイルが流れているか調べたり、内蔵をいくつも新しいものに取り替えてみたり・・・。
そんなことしても、生き返らないのに。

一方通行の愛ほど、切ないものはありません。
でも、それでも愛情を注いでしまうのが人間なんだなと思いました。
科学者なんか大嫌いなねこ。
次は誰の猫に生まれかわるのかな。


『100万分の1回のねこ』13人の作家
江國香織 、岩瀬成子、くどうなおこ、井上荒野、角田光代、町田康、今江祥智、唯野未歩子、山田詠美、綿矢りさ、川上弘美、広瀬弦、谷川俊太郎


こちらも一緒にどうぞ。
・佐野洋子さんの絵本のレビュー
*100万回生きたねこ*



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