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『平家物語』古川日出男(訳) / 栄華から没落へ・・・

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

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『平家物語』古川日出男(訳) / 栄華から没落へ・・・ 

古川日出男さん(訳)
『平家物語』

平家の栄華と没落の物語





あらすじ&感想


平安末期、貴族社会から武家社会へと向かうきっかけとなった、いわゆる源平合戦と呼ばれる動乱が勃発。武士として初の太政大臣となった平清盛を中心に、平氏一門は栄華を極めるが、悪行を重ね、後白河法皇の謀計を背景に、頼朝や義仲、義経ら源氏によって都を追われる。十七歳の若武者・敦盛の最期、弓の名手・那須与一の活躍、屋島・壇の浦の合戦、そして幼帝・安徳天皇を伴った一門の入水…無常観を基調に描かれた軍記物として、琵琶法師により語り継がれ、後世日本の文学や演劇などに多大な影響を与えた大古典。圧倒的語り口による、類を見ない完全訳。
―「BOOK」データベースより―

『平家物語』って、ちゃんと読んだことなかったんですよね。
有名な敦盛の最期や、弓の名手・那須与一のところは、学校の教科書で習ったので知っていましたが。
古川日出男さんの完全訳で発売されたときに買おうか迷い、けっきょく図書館で借りることにしました。
でもこれは手元においてじっくり読みたい類の本です。
800ページ越え、2週間で読みきれるかしら・・・と思いつつも面白くて読み切れちゃいました。
特に源平合戦のあたりは、一気に読んでしまいました。

* 今回から2回に渡り、古川さんの『平家物語』のレビューを書こうと思います。


古川日出男さん(訳)
『平家物語』のレビュー (1)


平氏の栄華と没落の物語


祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久からず、
ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
ひとへに風の前の塵に同じ。 

・・・これは有名な出だしですよね。
私も冒頭のこの言葉だけは知っています。
『平家物語』はひとことで言うと、平氏の栄華と没落の物語です。
源氏なども出てきますが、スポットが当たっているのは、やはり最後まで平氏。
平清盛(たいらのきよもり) の時を盛りに徐々に没落してゆく。
・・・ほんとうに盛者必衰です。





壇ノ浦の入水で全て滅んだと思っていたのですが、そうではなかったんですね。
最後には生きのびた平家のその後が語られていました。
ある者は生きたまま捕えられて斬られ、流され・・・。
始まりが平清盛による栄華の絶頂期だっただけに、なんとも哀れ・・・というか、切なくなってしまいました。
特に最後、建礼門院(けんれいもんいん) について語られているところは心が折れそうになります。
彼らの栄華は、終わってしまえば夢のような儚いもののように思えました。


ところで、最後にあとがきを読んだのですが、最初に読めば良かった!と思いました。
そう思ったわけは、年齢についてなんです。


平家に登場する人物は一人残らず、生まれた年には一歳で、初めての新年を迎えると二歳になった。つまり「数え年」だ。



数え年・・・!!
そうか、そうですよね。
全く気にせず読んでいましたが、これから読まれる方は年齢にも注目するとよいと思います。

数え年とは、お腹の中にいるときに0歳、生まれた時に1歳とする数え方です。そして新年には+1歳、すなわち2歳となるわけです。

何歳でナニナニと書かれていますが、実際はみんなその年齢よりも幼い!!ということです。


幼帝、安徳天皇の入水


年齢のことを書きましたが、あとがきを読んで心に浮かんだのは、ただ1人、安徳天皇でした。
安徳天皇というひとを知っているでしょうか?
高倉天皇と徳子(後の建礼門院)の子供です。
かぞえ年3歳(満1歳4か月)で即位しなければならなかった幼少の天皇です。

壇ノ浦で、二位尼(にいのあま) に抱かれながら入水するところは有名ですね。
おぼろげながら幼子とは知っていたのですが、わずか6歳だったとは・・・。

平清盛が亡くなり、衰退の一途をたどる平家。
やがて木曽義仲により都を追われ、義経などの源氏軍に追い詰められます。
壇ノ浦の戦いで、彼らの多くが海に沈んだといいます。


「平家の世も、もはや最後と思われます」



そう言った、平知盛(たいらのとももり) も。

・・・そして幼帝、安徳天皇と、祖母の二位尼の言葉に胸がきゅっと締めつけられました。


「尼ぜ、私をどこへ連れてゆこうとするのか」


「波の下にも都がございますよ」



・・・(涙)。
無常です。

母の建礼門院も入水しますが助かるんです。
そして平家が滅び、鎌倉の時代になってもひっそりと亡くなった人を弔いながら生きる。
最後は、建礼門院と付き添いの女房たちが亡くなって幕を閉じます。
まさに最初から最後まで平家の物語なのですね。





読み終わって感じたこと


この物語には、たくさんの人々が出てきます。
平家だけでも盛り盛りづくしなのに、源氏サイド、藤原氏、法皇の系統、更には白拍子なども・・・。
英雄のように描かれていれば、人間の弱さをそのまま描いているところもあって、何だか登場人物たちが身近に感じられるようでした。
平清盛の勝手気ままな傍若無人ぶりには眉をひそめましたが、重盛の温情ある人柄にはジーンときました。
でもイイ人ほど、早く亡くなってしまう・・・。
世の常なんですかね。

読み終わって、たまらなく悲しくなりました。
最後が建礼門院のお話だったからかもしれません。
面白いエピソードや心温まるものもあったんですが。
『平家物語』が親しまれるのは、人間の弱さがそのまま描かれているから
美談にしていないところが良いですね。


* 次回のレビューに続きます。
源氏サイドから1人、平氏サイドから2人をピックアップしました。
ひだまりさん。が前々から好きな人物たちです。
良ければこちらもどうぞ。
『平家物語』(2)



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