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木曽義仲、平敦盛、平知章、それぞれの最期/『平家物語』古川日出男(訳)

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

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木曽義仲、平敦盛、平知章、それぞれの最期/『平家物語』古川日出男(訳) 

古川日出男さん(訳)
『平家物語』

激動の時代に生きた3人の男たち





あらすじ&感想


平安末期、貴族社会から武家社会へと向かうきっかけとなった、いわゆる源平合戦と呼ばれる動乱が勃発。武士として初の太政大臣となった平清盛を中心に、平氏一門は栄華を極めるが、悪行を重ね、後白河法皇の謀計を背景に、頼朝や義仲、義経ら源氏によって都を追われる。十七歳の若武者・敦盛の最期、弓の名手・那須与一の活躍、屋島・壇の浦の合戦、そして幼帝・安徳天皇を伴った一門の入水…無常観を基調に描かれた軍記物として、琵琶法師により語り継がれ、後世日本の文学や演劇などに多大な影響を与えた大古典。圧倒的語り口による、類を見ない完全訳。
―「BOOK」データベースより―

前回に続き『平家物語』のレビューです。
先日は、幼帝、安徳天皇と建礼門院(けんれいもんいん) のことにふれました。
今回は、ひだまりさん。が前々から好きな人物にスポットをあてたいと思います。
たくさんいるのですが、3人に絞りました。
そしてそのきっかけになった、佐久間智代さんの漫画も紹介したいと思います。

* 前回のレビューはこちら。
『平家物語』栄華から没落へ・・・


古川日出男さん(訳)
『平家物語』のレビュー (2)


田舎者の英雄、木曽義仲


まずは源氏サイドから、この方。
木曽義仲 (きそよしなか・源義仲) です。
実は、義仲と義経ってすこしだけ経歴が似ているような気がするんですよね。
2人とも戦で類まれなる才能を発揮し、そして最期は頼朝に追われる・・・。

でも義仲の方はあまり知られてないような気がします。(平家物語には大きく取り上げられているのですが・・・)
義経はあんなに人気があるのにね。
そして、2人には決定的に違うところがあるんです。
それはイメージです。
義仲は田舎者で、かたや義経は華やかさがある。
そのイメージが2人の人気に差がついている理由なのかもしれません。

古川さん(訳)の『平家物語』では、そんな義仲がカッコよく描かれています。
(田舎者丸出しのエピソードもありますが・・・。)
これはとても嬉しくて、読むのが楽しかったです。
まず大活躍するのが、倶利伽羅峠の戦いです。
平維盛(たいらのこれもり) 率いる平家側より少ない兵だったのに、みごと勝利します。


転落、急落、無惨に落ちる!落ちる! あれほどに深い谷が七万余騎の平家の軍勢ですっかり埋まった。



義仲の作戦勝ちでした。
わざと戦いを夜まで伸ばして、平家軍が寝静まったときに奇襲をかける。
そして谷底へと誘導するんです。
頭が良いです。


私が1番好きなシーンは、鎌倉に追われた義仲の最期です。
それが切ないけどとてもカッコよく、ジーンとしてしまいました。
今井四郎兼平(いまいしろうかねひら) とのやりとりです。


「なあ今井よい、俺は」と木會殿が言われる。「都で最期を遂げるつもりだった。この義仲はな。当然ながらな。それをここまで逃れてきたのは、今井、お前と同じところで死ぬためにだった。そうなんだぜ。どうだ、別れ別れに討たれるよりも同じところでよう、討ち死にといこうぜ」



かっこいい。
今井兼平との絆を感じます。

『平家物語』といっても、たくさん本が出ています。
同じ義仲や義経が登場しても、英雄のように描かれていたり、そうでなかったりと様々のようですね。
書き手によって、いろんな目線で楽しめるのは面白いです。
(義仲や義経が好きなひだまりさん。は、彼らが英雄のように描かれていると嬉しいのですが。)
ここで語られている義仲が好きです。





つづきまして、平家サイドから2人をピックアップしました。


敦盛の最期


平敦盛(たいらのあつもり)。
この人は有名な人だから知ってるかな。
私が最初にお目にかかったのは、学校の教科書です。


「おう、そこに行かれるのは―!」と熊谷は声を張りあげた。「大将軍とお見受けした! 敵に後ろをお見せになさるのは実に見苦しい。卑怯! お戻りなされ」



・・・記憶にありませんか?
一ノ谷の戦いで、熊谷次郎直実(くまがえのじろうなおざね) が敦盛を討とうとしているシーンです。
直実は敦盛を馬から組み落とし、首を斬ろうと甲を上げたときに戸惑う。
自分の息子と同じ年頃だったから。
でも後ろから源氏軍が迫っていて、どのみち助からないのなら、自分が斬ろうと心に決めるんです。
それで泣く泣く・・・。

平敦盛って美形と言われていますよね。
そして笛の名手だった。
・・・実は、学校の教科書を読んだ時にはそれほど気になる人物ではありませんでした。
私が好きになったのは、佐久間智代さんの漫画を読んでからなんです。

漫画を紹介する前に、もう一つだけ『平家物語』からエピソードを。
同じく佐久間さんの漫画の影響で好きになった平知章です。


「父と子」知章の最期


平知章(たいらのともあきら) というひとを知っている人は、あまりいないのではないかと思います。
新中納言知盛卿 (平知盛、たいらのとももり) の息子です。
父親の方が知れ渡っていますよね、きっと。

『平家物語』に「知章の最期」という項目があって、胸を打たれた ひだまりさん。
父と子と馬の物語です。(馬は省略します)
父親の前で息子が討たれてしまう。


「どのようなわけで、私は、子がいて、その子が親を助けようとして敵と組んだのを見ながら、どのようなわけで、この私という親は、その子が討たれるのを助けもしないで、このように逃れてきたのであろうかと、どのような、どのような、どの―」



いつの時代も変わらず、親より子が先だったとき、親の心情は・・・というと想像するにあまりある。
子を想う父の言葉に、胸がはりさけそうになりました。
知盛は、それでもまだ生きるんですよね。
壇ノ浦で入水するまでは。

『平家物語』はカッコイイ英雄もいるけれど、人の弱い部分もたくさん描かれています。
だから共感できるし面白いのかも。
知章の父、知盛は、一見、情けないダメ親父のようにみえます。
でも決して否定しているわけではなくて、優しく包み込むように書かれているんです。
生き残った父親の心情を思うと切なく、胸が熱くなりました。

・・・なんだか、知章に注目しているのに父親のお話になってしまいました (^^;





佐久間智代さんが描く、敦盛と知章


前々から源平時代に興味があった、ひだまりさん。
それを強力にしたのが、佐久間智代さんの漫画でした。





敦盛を描いた「月の船、星の林」。
知章を描いた「きらめく波の飛沫」。
義経を描いた「らせんは時を越えて」。

特に敦盛と知章を好きになったのには、この漫画の影響が大きいです。
人物像は、たぶん佐久間さんの創作。
でもここで描かれる彼らがとても好きなんですよね。
古川さんの完全訳を読んでいたら漫画も読みたくなって、実家の本棚をあさって発見!!
手元に持ってきました(*´∀`)


きっと気になる人物が見つかる


800ページ越えの『平家物語』。
わかりやすいって言っても、たぶん興味がなければしんどいだけで終わってしまうと思います。
古典ならではの言葉づかいの読みにくさもありますし。(「御なになに」とか・・・)
なので、誰にでもオススメというわけではないのだけれど。
でも興味があれば、かなり面白いと思います。
今まで知らなかったけど、なんかこの人のこともっと知りたい!・・・と思える人物に、きっと出会えるはず。

図書館本だったのでゆっくり読むことは出来ませんでしたが、ひとりひとり調べながら読み直したい気分です。
・・・やっぱり、あらためて買おうかな。


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平家物語,

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