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『火花』又吉 直樹 / 純粋な笑いと漫才、人間の生き方について

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

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 『火花』又吉 直樹 / 純粋な笑いと漫才、人間の生き方について

又吉直樹さん
『火花』

漫才とは、本物の阿呆と
自分は真っ当であると信じている阿呆
によって実現できるもんやねん



あらすじ&感想


奇想の天才でありながら、一方で人間味溢れる、あほんだらの神谷。そして彼を慕う後輩、スパークスの徳永。お笑い芸人の二人が笑いとは何かについて議論しながら、それぞれの道を歩んでいく。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令するが・・・。芥川賞 受賞作品。


何かと話題になっているピース又吉さんの『火花』を読みました。
芸人さんが書いた本は初めてでしたが、「笑い」に対して真摯な想いがたくさん詰まった作品でした。
これは二人の人間の生き方を描いた純文学ですね。
日々、笑いを追求している芸人さんの又吉さんだからこそ、描くことができた本だと思います。





笑いとは


『火花』は二人の人間が軸になって展開していきます。
スパークスの徳永と、あほんだらの神谷です。
そしてテーマはどこまでも「笑い」。
そこに芸人さんである又吉さんの真摯な想いが伺えます。


漫才は面白いことを想像できる人のものではなく、偽りのない純正の人間の姿を晒すもんやねん。(中略) 本物の阿呆と自分は真っ当であると信じている阿呆によって実現できるもんやねん



深いなぁ・・・。
「笑い」を深く追求した言葉だなぁと思いました。

あほんだらの神谷は、どんな時も純粋に面白さを追求している人物でした。
日常の行動における全ての場面で。
それは、とても純粋で枠に囚われないもの。
自分に正直で根っからの阿呆な人なんだろうな。

そんな神谷を師として尊敬する徳永。
その二人のやり取りで進んでいく物語ですが、テンポの良い会話が面白いのです。

「お母さん、お前のことなんて呼ぶねん?」
「誰に似たんや」
「お前はお母さんを、なんて呼ぶねん?」
「誰に似たんやろな」
「会話になってもうとるやんけ」


これはほんの一部ですが、
クスリと笑ってしまいました(*´︶`*)


徳永の想い


僕は面白い人間になりたかった。僕が思う面白い芸人とは、どんな状況でも、どんな瞬間でも面白い芸人のことだ。



徳永の思う面白い芸人とは、真正面から面白いことを追求する神谷のような人。
『火花』は後半に進むにつれて面白くなり深みにはまっていきます。
徳永の神谷に対する想いが純粋に描かれていて・・・。
ジーンとしてしまうのです。

最後の方の、
僕は天才になりたかった。人を笑わせたかった。
という徳永の心の叫びに胸を突かれました。
心がふるえます。





漫才を通して見えてくる生き方


『火花』の冒頭のシーンには花火が打ち上げられます。
スパークスの徳永は花火に対して、圧倒的な敬意を抱いているんです。
この大いなるものに対していかに自分が無力であるかと思っています。
そしてその夜、神谷に出会うのです。

あほんだらの神谷という人は、徳永にとって花火のような人なんじゃないかなと思いました。
どこまでも「笑い」に対して純粋に追求している神谷の生き方。
そこに底知れぬ恐怖を抱きながらも、圧倒的な敬意を持つ徳永。
その二人に感動を覚えました。


この記事を書いた人って、どんな人?
芥川賞受賞作, 笑い,

4 Comments

lime  

わあ

いま、いろんなところで話題の「火花」って、こういう内容だったのですね。
純文学だという事しか知らなかったので、このレビューはとても興味深く読ませていただきました。
お笑いを職業にする人が、お笑いの事をテーマに文学を書くというのは、とても大胆な事に思えますが、相当な覚悟と気力が必要だったんだろうなと感じます。
でも、ここに書かれている、漫才というのは・・・というくだりを読んだだけで、共感することがいっぱいです。
最近、笑えない漫才やバラエティも多く、お笑い業界に行き詰まりを感じていたのですが・・・。そんなこともあって、とても興味が沸きました。^^

2015/06/11 (Thu) 08:39 | EDIT | REPLY |   

ひだまりさん。  

limeさんへ。

私もなんの予備知識もないまま読み始めたんです。
ピース又吉さんのことも、実際顔と名前くらいしか知らなくて・・・。
でも『火花』を読んで、漫才に対しての真摯な想いが伺えて少し見直してしまいました(*^_^*)
文章の表現も、上手く言えませんが芸術的で素晴らしかったです。
正直、ここまで期待していなかったので驚いちゃいました。
共感できる箇所も多く、これだけ話題になったのがわかる気がします。
最後の方に徳永がお笑いライブをやりながら、心の中で想いを叫ぶシーンがあるのですが、ジーンとしてしまいました( ^^ )
芸人だからこそ、書けたお話だと思います。

2015/06/11 (Thu) 14:06 | EDIT | REPLY |   

まいまい  

おじゃまします!

「火花」は今、図書館の予約待ちをしています。
内容、よく知らなかったのですが、
だいぶ話題になっていたので、読んでみたいと思いました。
でも人気の本なので、なかなか順番が回ってきません。(^_^;)

芸人さんの著書って正直どうなのかな・・
という気がしていましたが、
「笑い」がテーマなんて、、真っ向勝負ですね。
このレビューのおかげで読むのがますます楽しみになりました。

2015/06/12 (Fri) 20:38 | EDIT | REPLY |   

ひだまりさん。  

まいまいさんへ。

コメントありがとうございます(*^_^*)
「火花」図書館の予約凄いことになってますよね。
私もやっとこの間まわってきたんです。

芸人さんの本は初めて読みましたが、意外と良かったです。
言葉の表現が素敵で、漫才に対してどこまでも素直で真摯な登場人物に圧倒されました。
本当に真っ向勝負ですよね。
これは芸人さんだからこその作品だなと思います。
又吉さんの笑いに対しての姿勢が伝わってきて、さすがだなと思いました。

順番、早くまわってくると良いですね(*´︶`*)

2015/06/12 (Fri) 21:13 | EDIT | REPLY |   

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