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『雪花草子』(きらぞうし) 長野 まゆみ ☆ 美しく残酷なおとぎ草子

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

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 『雪花草子』(きらぞうし) 長野 まゆみ ☆ 美しく残酷なおとぎ草子

長野まゆみさん
『雪花草子』(きらぞうし)


残酷おとぎ草子


あらすじ&感想


大人のための残酷おとぎ草子。鬼が笑い、女狐が哄う怪異の夜々。官能と霊気渦まく幽玄の都に誘う三篇。「白薇童子」(はくびどうじ)「鬼茨」(おにいばら)「螢火夜話」(ほたるびやわ)

長野まゆみさんの本です。
仲良くさせてもらっている
小説ブログ 「DOOR」 の limeさんにオススメ頂きました。
limeさん、ありがとうございます(*^_^*)

『雪花草子』
なんて素敵なタイトル!
「きらぞうし」と読みます。
美しく官能的で残酷な・・・そして儚い物語でした。





美しく残酷な


『雪花草子』に収められている三篇の物語。
どれも残酷ゆえに美しい。
特に私が印象に残ったのは「鬼茨」(おにいばら) でした。

朱央 (すおう) と 親友の子凛 (こりん) は、弓遊びをしている時に子凛の放った弓矢が、将軍の子・蜜法師さまの愛猫を射抜いてしまいます。
その後、蜜法師さまの御所へ呼ばれる2人ですが・・・。
様々な要求に耐える子凛の姿がとても痛々しく、愛おしく思えました。
どんな要求にも逆らうことは許されず・・・。
そんな中で子凛が言った言葉が胸にズシリと響きます。


あの方に、なぶり殺されるまえに、夜叉になりたい。夜叉になって、あの方を・・・・・



・・・子凛のやるせない想いに一瞬目を閉じてしまいました。
さらに子凛は、


あの方を殺したあとは、朱央の手で俺の命を絶ってほしい。朱央に斬られるのなら本望だ。おとなしく、殺されよう。



深い悲しみの感情が止めどなく溢れてきました。
そんな子凛が愛おしくなります。
この時代背景はいつなんだろう?
室町時代とかかしら。
・・・そして迎えるラストも切なく残酷なんです。




私が以前に読んだ長野さんの『月の船でゆく』は、ファンタジー的な物語でした。


同じ作家さんの物語とは思えないくらい衝撃的な作品。

残酷ゆえに、とても心に残ります。


美しく官能的


長野まゆみさんの本をネットで検索してみると、「同性愛」というキーワードが見つかります。
確かに長野さんが描く男の子はどこか中性的で優しい感じがします。
そして儚げな雰囲気を持っていて繊細。

『雪花草子』でいうと「白薇童子」の白薇童子、「鬼茨」の子凛、「蛍火夜話」の螢姫。
色白で女性を思わせる男性ですね。
その儚げな雰囲気が好きだなと思った ひだまりさん。
そして『雪花草子』では、官能的な場面がいくつか出てきます。
長野さんの描き方が良いのか美しく感じてしまう。
彼女ならではの世界観だなぁと思います。


おとぎ話のようでいて


『雪花草子』は、夜叉や旅人を化けて騙す女狐などが出てきます。
一見おとぎ話と思えるような要素を含んでいるんです。
・・・が、その結末はどれもあまりにも残酷で心が闇に包まれる。
その潔さが逆に良いなと思います。
「螢火夜話」のラストのとてつもなく残酷な感じが好きでした。
私って意外と残酷な女なのかも・・・。
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おとぎ話,

4 Comments

lime  

おはようございます

タイトルを見て嬉しくなりました。
読んでくださってありがとうございます^^

私が感じた部分を同じように感じてくださって、とても感激しています。
確かにどれも残酷なお話なんですが、その結末に行くまでに、子供たちの間で様々な友情や愛情や、そして凛とした潔さ、強さ、そして儚さがじわじわと感じられて、とても鮮やかで美しい画が残ります。
これはもしかしたら日本人ならではの美学なのかもしれませんよね。
残酷だけど切なく美しい。
長野まゆみさんは、本当はこんなお話をもっともっと書きたいんじゃないかなと、私は読みながら思ったんです。

私も「鬼茨」が一番好きです。最初に子凛が登場する、池の淵での描写などがもう、本当に素敵で。猿楽の資料を思わず集めたくらいです(でも、ほとんど資料は残されていないんですね)
残酷な物語ではあるのですが、その中でしか見れない美学や官能というものがたしかにあって、長野さんは本当に巧みにそれを紡ぎだして行く錬金術師のようだなあ・・・なんて、読み惚れていました。
またこんなお話も、書いてくださらないかしら・・・。 

ひだまりさんの感想、とてもうれしく読ませていただきました^^

2015/06/30 (Tue) 07:13 | EDIT | REPLY |   

ひだまりさん。  

limeさんへ。

おはようございます。
こちらこそ、素敵な本を紹介して下さり感激してます。
ありがとうございます(*^_^*)

ますます長野さんが好きになりました。
残酷だけど美しく、心に残りますね。
確かに日本ならではの美学という気がします。
一話一話がこんなに印象に残るのは、そこに描かれている愛情や友情、儚いけど強さも感じられるからだと、私も思います。
子凛の強さや潔さは胸が痛くなったけど、どこか清々しいような気がして魅力を感じずにはいられません。
こんな物語をもっと読みたいですね。
人間の様々な感情が巧みに表現されていて、さすがだなぁと思います。

やっぱり長野さんの描く男の子が私は好きみたいです。
本当に美しい。
ちょっと憧れてしまいますね。
それを再確認した本でもありました。
官能的な場面も、それほど嫌ではなくすんなりと読めてしまいます。
残酷な物語だけど素敵でした。

ありがとうございます(*^^*)

2015/06/30 (Tue) 08:55 | EDIT | REPLY |   

さや  

こんばんは。
ひだまりさん。の感想を読んで面白そうって思った私も残酷なのかも(笑)
長野まゆみさんは10年くらい前に一冊読んだだけなのですが、静謐な雰囲気が好きだなと思ったような記憶があります。

友情よりはもうちょっと強い感情が感じられるところが同性愛的に言われるのかなと思います。おとぎ話のような作品は好きなので今度読んでみますね。(^―^)
ひだまりさん。のブログを読んでると読みたいものが増えて嬉しいけど大変です(笑)この間の「楽園のカンヴァス」も面白そうだな~と思ったんですよね。

2015/07/01 (Wed) 00:54 | EDIT | REPLY |   

ひだまりさん。  

さやさんへ。

こんばんは (*^_^*)
ありがとうございます。
長野さんの描く世界観は独特で、その美しい表現力は素敵ですよね。
『雪花草子』は人が持つ強さや、愛情などが感じられて、残酷なんだけど美しいなと思えてしまうような物語でした。

私も読みたい本がたくさんあって、嬉しいんだけど大変です(´˘`๑)
『楽園のカンヴァス』もオススメです。
時間が経つのを忘れるくらい面白く、素晴らしかったです。
原田さんの絵画にかける想いが伝わってきて、思わず絵をじっくり鑑賞したくなりました。
ぜひぜひ、読んでみて下さい (´∀`☆)

2015/07/01 (Wed) 01:36 | EDIT | REPLY |   

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