Welcome to my blog

『ルームメイト』 今邑 彩 / 私の心は誰のもの?

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

読書感想ブログです。たまにネタバレするかもしれません。ホームベーカリーGOPANのレシピも扱っています。


Total:
現在:

 『ルームメイト』 今邑 彩 / 私の心は誰のもの?

今邑 彩さん
『ルームメイト』

私は彼女のことを何も知らなかった・・・





あらすじ&感想


大学へ通うために上京してきた春海は、京都からきた麗子と出会う。ルームメイトとして共同生活を始めた2人だったが、やがて麗子が失踪した。春海は、先輩の健介と一緒に麗子の跡を辿ろうとするが、彼女の奇妙な生活を知る。麗子は、名前、化粧、嗜好までも替えて、二重、三重生活を送っていた・・・。

『ルームメイト』という題名からはあまり想像できませんが、解離性同一性障害、いわゆる多重人格障害を扱ったストーリーになっています。
そこにこの本の面白さと怖さが描かれていました。


自分の中にいる、もう一人の他人


解離性同一性障害というとなんだろう?と思うけど、多重人格障害と聞くとなんとなく想像できます。
本人にとって耐え難い出来事があった時に、自分の中にもう一人の人格を創ってしまう・・・という一種の自己防衛本能ですね。
けれどそれだけで終わらないのがこの障害の厄介なところです。
創り出した人格はそのまま本人の中で眠っていて、ある時ひょいと現れる。
性格や嗜好も本人とは違ったりするので、ひとりの人の中に複数の人格が住んでいる状態でしょうか。
傍から見ると奇妙な感じがします。

『ルームメイト』に出てくる登場人物が解離性同一性障害を患っているのですが・・・。
もし犯罪を犯したらどうなるのか?ということを考えながら読んでいました。
元々の自分ではなくて別人格が犯罪を犯してしまったら・・・。

多重人格者の犯罪で思い浮かぶのは、ビリー・ミリガンです。
彼の中には 24人の人格が存在していたと言われています。
そんなこともあるんですね。
連続婦女暴行事件の判決は無罪でした。
やはり責任能力の有無で判断されるのですね。


最後に残るのは?


『ルームメイト』は、多重人格によってもたらされる奇妙な生活や行動などが描かれています。
そこに本書ならではの怖さがあります。
自分では自覚してないのに、いつもとかけ離れた振る舞いをしていたり・・・。
しかもその間の記憶がない。
恐ろしいです。
自分が自分でなくなる恐怖。
そこに犯罪が絡んできて、どうなるんだろう・・・?と最後まで気が抜けませんでした。

多重人格って不思議ですね。
人格が変わっている間は片方は眠っているわけで、記憶の共有はしないのですよね。
でもコントロールする人格もいたりと・・・。
治療するとして、最後には元々の人格が残るのでしょうか?
それとも混ざった人格になるんだろうか。
・・・疑問に思ってしまいました。


ハッピーエンドか、バッドエンドか


私が読んだのは文庫版『ルームメイト』ですが、目次にモノローグ1~4とありました。
最後のモノローグ4の前に文庫版あとがきが入っています。
これはモノローグ4の結末がバッドエンドなので、読まずに終えることも出来るようにとの配慮らしいです。
(一応、モノローグ3まででもストーリーは完結してます。)
そう言われると読まずにはいられない私。

・・・ほんとにバッドエンドでした。
嫌いじゃないですけど。

関連記事

この記事を書いた人って、どんな人?
多重人格,

0 Comments

Add your comment