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『囀る魚』アンドレアス・セシェ/現実と虚構が織りなすファンタジー

*ひだまりさん日記* ~晴れ 時々 読書とパン~

読書感想ブログです。たまにネタバレするかもしれません。ホームベーカリーGOPANのレシピも扱っています。


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『囀る魚』アンドレアス・セシェ/現実と虚構が織りなすファンタジー 

アンドレアス・セシェさん
『囀る魚』

ドアの扉はどこか本の表紙に似ていますね


あらすじ&感想


内気な青年ヤニスはアテネ旧市街の古びた書店に迷い込み、神秘的な女店主リオに出会う。めくるめく読書の愉しみ、本の構造の不思議、古典の断片―ふたりの会話が尽きることはない。しかし、それも束の間、リオはふいに消息を絶つ。彼女は本当はいったいだれなのだろう。手がかりを探すヤニスが辿り着いた世界とは?現実と虚構と謎を織り込み、読む者を不思議な読後感へと誘うエブリデイ・ファンタジー。
―「BOOK」データベースより―

"本好きのための物語。"
・・・と、帯に書かれていたら読まずにはいられません。
とてもフシギな世界観を堪能できました。
これはファンタジー?
海外文学やら、神話やら・・・。
そういう類の本が好きな方の方が、より楽しめそうな気がします。

この小説は、どう楽しむかで好き嫌いが分かれそうです。
純粋にファンタジーとして幻想的な世界観を楽しむのもよし、海外作品がたくさんでてくるのも魅力です。
・・・正直にいうと、深くはハマれなかった ひだまりさん。
でも「本を読む」ということに面白さと共感を持てた一冊でした。
今日のレビューはストーリーにはあまり触れずに、私が共感したことを中心に書きたいと思います。

アンドレアス・セシェさん『囀る魚』のレビュー

現実と虚構と謎と・・・


海外作品に疎い ひだまりさん。は、ファンタジー部分に魅力を感じました。
現実と虚構が入りまじった世界観。
その境目があいまいで不思議な気持ちになるんですよね。
古書店のリオや、アーサーの正体が分かったときはビックリ。

でも馴染みがない海外文学と、最後はこれまた馴染みがない神話がでてきて、え!?・・・となってしまいました。
私にもうちょっと知識があったら、違う楽しみ方ができたかもしれません。

一冊の本と自分の物語


素敵だなと思ったところがあります。
本棚から本を取り出したとき、そこに自分の物語が浮かぶ人はいるでしょうか?
主人公、ヤニスには、それぞれの本と一緒に浮かぶ物語があったんです。
それは朝食の風景でした。

自宅の書架から適当に一冊の本を抜きだすと、そこには朝食の物語がついてくる。「チェリーとパイナップルの朝食」これは『戦争と平和』の場合だ。あるいは「ガルシア=マルケスの『コレラの時代の愛』は秋に買った。あのときは栗を朝食に食べたなあ」となる。


彼は本を買う時には、しっかり朝食をとることにしていました。
焼きたてのパン、庭でとれたリンゴとプラム、ハンガリー産のサラミとバジル・・・。
1冊の本から思い出す風景があるって素敵だなと思います。
私の朝食は、最近はパンとミルクティーです。
代わり映えのしない朝ごはんで・・・。
私も本を買う時、いつもと違うメニューにしてみようかな。


本を読むということ


私が1番深く共感したのは、「本を読むこと」について書かれているところです。
小説を読んでいると、その物語に浸れちゃいますよね。

あるときは探偵、あるときは医者、そしてまたあるときは騎士となって。


ミステリーやファンタジー・・・、現実とはかけ離れた世界ですが、それがとても楽しい。
探偵モノでは私も探偵になった気分で、ファンタジーではその世界観を堪能し。
登場人物たちと一緒に経験を積んでいく。

人生の終わりに来たとき、書物を渉猟した人は自信を持って言えるでしょう。たくさんの経験を積んだと。


文字を読むことと実際に経験することは、たぶん違うのだとは思うけど。
それでも本を読むことで擬似体験した気になる。
それは経験したくても、現実ではなかなか出来ないものだったりします。
その時間がとても貴重だなと思います。
そして、私も最後には「たくさん経験を積んだ」と言いたいです。

ドアの扉と本の表紙


幻想的な古書店に迷いこんだヤニスですが、そこでリオと出会い一目惚れしてしまいます。
ふしぎなリオ。
2人のやり取りを読んでいると、まるで物語の世界に入りこんでしまったような感覚になりました。
ヤニスが言ったひとこと。

「ドアの扉はどこか本の表紙に似ていますね」


その言葉からある絵を連想しました。
それがこちらです。



『真昼の夢』(絵本) で描かれている、ロブ・ゴンサルヴェスさんの絵。
本の表紙がドアになっていて、物語の世界が続いています。
(そのうちに『真昼の夢』のレビューもアップしようと思っています。)
ヤニスのことばから、この絵が思い浮かびました。
まさにドアの扉は本の表紙。
扉を開くと、日常とちがう世界が待っています。
これは小説を読むことの醍醐味ですね。


***


『囀る魚』は、単行本で200ページちょっとと読みやすい長さですが、海外作品がモリモリ、現実と虚構と謎がたくさんつまった小説でした。
ちょっとモリモリしてて、ところどころ流し読みしちゃいました。
・・・のわりには長文レビューになりましたが(^^;

読んでいただき、ありがとうございます。



この記事を書いた人って、どんな人?
ファンタジー,

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